退職金を握りしめてママ友と銀座久兵衛でお寿司を食べてきた

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お寿司と指輪は自分で買おう

西原理恵子さんが、「お寿司と指輪は自分で買おう」とおっしゃっていたので、退職金を握りしめて銀座の久兵衛へ行ってきました。ものすごくオトナだ。でも想像以上にこのオトナ経験が素晴らしかったので、記しておきます。

24歳の時に早まって(だまされていたのであろうか)結婚し、26歳の時に運良く(それは運良く)息子が生まれてきてくれたので、なんというか東カレ(東京カレンダー)的生活を送る時間がものすごく短かったように思う。今思えば。私をだました(知らんけど)港区サラリーマンのオットは私を一度もカウンターのお寿司になんぞ連れて行ってくれなかったそういえば。まあその頃オットも25歳だったわけだけれど。(でも遊びほーけてましたよね)

だから何ってわけでもないのですが、そういえば、カウンターでお寿司をいただくなんていう経験をほとんどせずに34歳になったのだな、と、ふと思った。仕事で行くパーティーで、ホテルの広い会場に来ている久兵衛のお寿司を食べることはあれど、ちゃんとお店に行ったことはなかった。

妊娠して出産して授乳していると6年くらいはあっという間に過ぎる。

けどどういう話の流れだったかはさっぱり忘れてしまったのだけれど、第一子の育休中に、同じ時期に出産したママ友と、ツイッターだったか何かで、「復職したら久兵衛のお寿司食べに行こーよ。」と、話していた。もうそれは軽口程度のものだったのだけれど、「久兵衛でお寿司。」というワーディング(マーケティング用語)だけはなんだかずっと自分に残っていた。

ただご存知の通り、妊娠→授乳中はお酒を飲めないわけです。軽くそう言いますけど、例えば1歳まで授乳したとしても約2年は禁酒なわけです。うちの子たちは1歳半〜2歳くらいまで授乳してたので、1人につき2年半〜3年くらい禁酒してたわけです、わかりますかこれすごいですよねパパの皆様。

そうすると、慌ただしく、毎日は過ぎていく。毎日どころか、6年くらいが過ぎていった。妊娠して出産して授乳しているとなんだかんだしているうちに6年くらいはあっという間に過ぎてしまうのだ。まじで。

独立したしというわけで、6年越しの約束を叶える!

そんなこんなで約束してから6年くらいが過ぎた今年の誕生日、FBにその友達がメッセージをくれた。お誕生日おめでとう、そろそろ久兵衛行こうよ!と。そしてそれはたまたま私が会社を辞めたタイミングで、「行こう!会社辞めてフリーになったから!」というと、「まじで!それはますますお祝いしなきゃじゃん、久兵衛じゃん!」ということで、6年ごしの約束が叶うことに、なった。そして同業の友達がさらりと予約してくれた。かっこいい。

しかし、決まったはいいものの。行き先は久兵衛。そもそも無職の私が行っていいのか?とか、最近ふざけた格好しかしてないけどこんな服で行っていいのか?とか、銀座のお寿司屋さんには一般人にはわからないマナーが山ほどあって一見さんが行ったらいけずされるんじゃないの?とか、色々頭をよぎる。(京都人)

だいたいいくらするのかもわからない、ので、友達と、とりあえず3万下ろしていこう、足りなくなったらそのまま久兵衛で働こう。と、約束した。(無職だしわたし。)

3万円握りしめていざ行かん久兵衛

でもさ。実際に行ってみたら。久兵衛ときたら最高であった。

緊張するから一人で入れない!と、友達が来るのをお店の前で待っていた私ですが、まず案内してくれた着物の女性がすごくフランクに話しかけてくれて、拍子抜けした。

掘りごたつのカウンターに案内してもらったのだけれど、そこで握っていた職人さんがまたとても気さくな方で、「出産してから6、7年ぶりに約束が叶って念願の久兵衛なんです!」って言ったら「へー二人とも小学生のお母さんなの!見えないね!」とかなんとか言ってくれるもんやから調子に乗って「大将さいこう久兵衛さいこう!」とか言ってそのままのテンションで話しかけ続けた。

久兵衛でママ友とする仕事の話、は最高だった

近しい業種で仕事をしていた友達と、仕事の話をしながら、なんかこういう日が来るとは思わなかったなあと、ちょっと思った。育休中は子どもを連れていろんなところへ行って、子どもを追いかけながら離乳食の話をして、それが6年経ったら、久兵衛で日本酒飲みながらお寿司を食べて、お互いの仕事の話をしている。そして最近会う人がほんとみんなそうなのだけれど、「こんな仕事あるよ!やってみたら?」ということを言ってくれる。

そこには私のまだまだ知らない世界がたくさんあって、わくわくするかけらのようなものがたくさん広がっている。自由になったんだなあと少し思う。

そしてそういうきゃっきゃはしゃぐ私たちを、久兵衛の人たちはとても良い距離感で相手をしてくれた。私は大げさじゃなくて、これが一流だ!と、思った。

隣に座るお客さんとの距離感も程よくて(たまに会話したりしてそれも楽しい)、職人さんとの会話もほどよく楽しくて、何より、6年ごしの約束を叶えた友達との会話があまりにも楽しくて、つい日本酒飲みすぎた、久兵衛なのに。

続いていくために、守るべき大切なものと、柔軟に変えていくもの

「伝統だ」「マナーだ」「暗黙の了解だ」という「空気感」は日本にたくさんあると思う。当然、世界の久兵衛さんだって伝統を大切にしているだろうと思う。だけど、それでも、退職金を握りしめて初めて久兵衛に来ましたという私たちに、すごくあたたかく接してくれた。写真もどんどん撮っていいよ!あの人も撮っていいよ!とか言いながら若い職人さんが大将を指差して、大将がポーズとってくれたりした。

「こんなマナーも知らないの」というような雰囲気は、周りのお客さん含めて一切なかった。それってすごいな、と私は思った。大切なものを見たな、となんか少し思った。いいものは、いい。そして続いていけるのは、守るべき大切なものと同時に、柔軟に変えてきたものがあるからだ。

そうそう、お会計も3万は全くしなかった。春のカットソー1枚分くらいだ。人生には洋服以外にこういうお金の使い方があるのか!と知った、私、34歳。

退職金握りしめて銀座のお寿司屋さんに行ったら、大切なものをたくさん教えてもらった、というお話。

でも私、久兵衛で日本酒飲みすぎてめっちゃ酔ったからやっぱりまだまだだ。いつかもっとスマートに食べられるようになりたい。むすめに、「大人になっていつかむすめに好きな人ができたら、3人で一緒にお寿司食べに行こうね。」と言ったらめっちゃ喜んでいたのでこれも十数年越しになるだろうけどちゃんと叶えてあげよう。きっと世界の久兵衛さんはその時にも柔軟にずっとあると思うから。

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