5歳男子とのクリスマスプレゼント攻防

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大人が選んでほしいプレゼント

クリスマスが近づいてきました。

我が家には5歳男子と2歳女子がいますが、それはそれはプレゼントに悩んでおりました。特に5歳男子。

この時期必ず新聞に折り込まれるトイザらスのチラシを子どもたちに渡したところ、ここに載っているのが世のおもちゃのすべてだと思い込んだ子どもたちは、あれがいいとかこれがいいとか、夢を膨らませておりました。

0歳や1歳の時というのは、はっきり言って、ママ好みのオサレなプレゼントでも許されます。なんなら、自分が着せたい服をるんるんと選んでプレゼントしたっていいわけです。もはや自分のためと言える超合法的なお買い物ですね、その頃のクリスマスプレゼントというのは。

でも、5歳にもなってしまうとそうはいかない。あれこれ欲しいものが出てくるし、いらないものをあげようならきっと、クリスマスにがっかりした顔を見ることになってしまう。

なのであの手この手で欲しいものを聞き出します。が、加えて、こちらがあげたいものへ誘導するというかけひきも行われます。

一応こちらも大人としての分別があるわけです。そんなおもちゃに5000円も6000円も出したって長く遊べるわけないだろう、とか、その遊びから得るものや学ぶものは何もないだろう、とか。

あわよくば、5歳男子とはいえ、センスのいいものとか、なんか賢こそうなものとか、長く使えそうなものとか、私も欲しいものとか、なんならSNS映えしそうなものとか(現代的)、そういうものを選んでくれないかな、とかちょっと思うわけです。そっちへもっていけないかなと。良い落としどころはないものか。と。

しかし人生と5歳男子はそう甘くない。

うちの息子の場合は、トイザらスのチラシを見て、「トミカ メカアクション自動車工場」とやらが欲しいと言い出しました。(↓これ。)

トミカ メカアクション 自動車工場

で、でかい。。。しかも5歳でトミカ。。。もう長くは使えなさそうであまりオサレっぽくはなくかしこそうというわけでもなくもちろんSNS映えしそうというわけでもない。。。

我が家には、0歳の頃から集め続けたトミカが、もうほんと山のようにあります。世の多くの男児とお同じく、うちも車と電車が大好きだったので、ちょっとしたおみやげやごほうびに手軽に買えるトミカはあっというまにたまってゆきました。

でもそんなトミカも、ここのところサッカーと野球ブームのきている息子とは、ちょっと距離が出てきたように感じていました。そろそろ卒業なのかなーと、思っていたところ。

ということで、これは、まあチラシを見て一時的に欲しくなっただけだなと判断して、そっかーこれもかっこいいけど、あ、これはー?スターウォーズのレゴとか!!(それなりにオサレっぽくてまあかしこそうな典型的なやつ。個人調べ。)とか、いろいろと誘導を試みてみました。が、あんまり息子の心を掴んでくれるものはなく。何を出しても結局トミカの自動車工場に戻ってくる。まあ翌日になれば、気も変わるだろうと思い、翌日になってまた聞いてみると、それでも自動車工場がいいと言う。ということを数日繰り返しました。

ところが最後に「これ対象年齢3歳からやって!3歳用かなー!」と、いう、プライドの高い5歳男子を一番説得できそうな呪文をとなえたところ、案の定「うっ」ときたらしく、「やっぱり妖怪ウォッチにするー。。」と、言い出した。

よっしゃ勝った。(妖怪ウォッチは決してオサレっぽくてかしこっぽいわけではないが、トミカの自動車工場ほど場所もとらへんしまあしまいやすい。という許容範囲。)

でも「答え」を大人が用意しちゃダメだ、と気づかされる

と、思った、気がした、のですが。

なーんか、これでいいのかなー、というもやもやが消えない。

なんかこれってもしかして、クリスマス当日にプレゼントを見ても、喜びはするやろうけど、それって親の気持ちを汲んだ上での喜びなんではなかろーかと。

妙な罪悪感に苛まれた母さんは、トミカの自動車工場でも、妖怪ウォッチでもいいから、どっちがほんとうにほしいか、もうちょっと考えてごらん、という、おいどっちなんだよというようなことを言って、その日はおしまいにしました。

そしたら次の日に息子から、「ママー、やっぱりトミカの自動車工場がほしい。」と、なんか少し恥ずかしそうに言われました。そっかうん、わかったよというと、うれしそうに飛 び跳ねて、ちょっと久しぶりにトミカの道路を出してきて、えらい立派な街を作って、お気に入りのトミカを並べて楽しそうに遊んでた。それは、0歳や1歳の 頃とはまた違う、お兄ちゃんになった息子のトミカの遊び方でした。

なんかその姿がけなげでかわいくてちょっと母さんはじーんときたのです。

普段はいつもお兄ちゃんとしていっぱい我慢もして頑張ってる息子に、クリスマスくらいは、ほんとうに欲しいものあげればいいじゃないか、と思えました。クリスマスまで親の都合を押し付けてちゃいけない。普段母さんがオニババとして君臨してる分、クリスマスくらい夢いっぱいわがままいっぱいの日にしてあげたっていい。愛する友人の助言もあり、そんな風に思いました。

そして何よりも、息子自身が「ほんとうに欲しいもの」を自分でちゃんとわかって、それをきちんと伝えられることって、すごく大事なことじゃないか、と思ったのです。

5歳男子というのは、ほんとうにあほで単純な生き物ではありますが、少しずつ「空気を読む」ということを知ってきます。特に、親の喜怒哀楽にはある程度、敏感になってくる時期のような気がします。

するとなんとなーく、こっちが求めてる「答え」を、子どもが感じ取る気がするのです、クリスマスプレゼントのかけひき一つとっても。

これから長い人生で、相手の感情を知ること、特に痛みを知ること、というのはものすごく大切になってくる。相手の「痛い」は、たくさん感じられるようにならなきゃいけない。

そういう意味で、大人が持っているべき「答え」はたくさんあって、まだまだ導いてあげなきゃいけない局面もたくさんあると思います。相手の痛みを教えてゆくことも、その一つ。そこの見極めは、きちんと大人として、親として、していかなきゃいけない。

でも、だからと言って、相手の「答え」に合わせるようにはしちゃだめだ、と思うのです。その「答え」からは、長い目でみたら何も生まれないし、何の成長もない。お互いの「答え」を持ち寄って、つまりこちらの「答え」もきちんと示して、対話をして、そこからちゃんとまた新しい何かが生まれるはずやから。

まだ5歳の子どもを相手にしていると、「答え」はいつも大人である自分の中にあるはずだとこちらは思いがちになってしまう。

でも、そればかりじゃないはずだな、と思うのです。子ども自身が「答え」を持っていることももちろんあって、大人がそれを勝手に導いたりしちゃいけない場面が必ずある。それをちゃんと、見極めてあげよう、と、クリスマスプレゼント攻防戦を通じて感じました。きっと今だからこその、トミカの遊び方を、この5歳男子は編み出してくれる気がするのです。

基本的に日々ほんとーーーーうにのほほんとてきとうな子育てをしながら過ごしているわけですが、それでもときどきはっと色々気づかされたりするから、まったく子育てというのはあなどれないな、と、思います。

息子よいつもありがとう。母さんはトミカの自動車工場を探してくるよ、でかいけど。

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