子どもたちの歌を守っていけるように

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先日、子供の保育園の発表会がありました。むすめはインフルにつき欠席でしたが(涙)、息子は保育園最後の発表会を、見事やり遂げて、母さんたちを号泣させてくれました。

泣かせようとしないコンテンツだから泣ける。

いや正確に言うと、パパ友が張り切りまくって一時間前に場所取りしていた最前列のど真ん中という席を、ここ座りなよ!と、ママ友がいとも簡単に座らせてくれるというおこぼれに預かり、なんせ最前列ど真ん中で鑑賞していた故、あまりおおっぴらに泣くのも憚られ、ぐすんぐすんと控えめに言っていた。ぐすん。

こういう、子供達の発表会というのが泣かせるのは、それが「泣かせよう」として作られたコンテンツじゃないというところも大きいな、と、思う。

だって手作り感満載、司会の新人の保育士さんはかみまくりで、2歳児クラスの発表はおおかみさんとこぶたさんの掛け合いが全く噛み合って入らず間延びしまくりで、サラリーマン風に言うと(そしてそれは大変に嫌いな言葉ではあるけれど)「仕切りが悪い!」と、言われそうなことの連続で、それでも子供達の一生懸命に歌を歌い、得意なことを披露し、おぼつかない合奏を必死にしている姿というのは、そしてそこから生み出された渾身の歌や音楽や舞台は、もう信じられないくらいとんでもないパワーに溢れていて、なんか初めて見た自治体のお偉いさんみたいなおじさんですらちょっとウルウルしていた。いやうそですそれは見てないけど、きっとあのおじさんだってウルウルしていたに違いない。知らんけど。

とにかく泣かせよう!と、いうコンテンツが昔からとても苦手で、数分間で感動を提供(強要)するテレビ番組とか、FBに流れてくるちょっといい話、系のシェアを見るとついテレビを消してスマホもほーり投げてしまう。あと、これは自分でもさすがにひねくれすぎだとは思うのだけれど、母の法事で、お寺さんが「いい話」を最後にしてくれる時ですら、「泣いてたまるか。」と、身構えてしまう。「雰囲気で泣くなんて絶対してたまるか。哀しいか哀しくないかは自分で決める。」と、なんならお葬式の時すら身構えてしまった結果、私はしばらく泣けなくてその後大変苦労した。

いや、だから、雰囲気に流されて泣くことは絶対に絶対にしたくないけれど、自分の感情に素直でいることは大切だということは、あの頃の私には伝えてあげたいと思うのだけれど・・・。

話がめちゃくちゃにそれましたが。

とにかく、それくらい私は感動の押し付けが苦手で身構えてしまう。だから万が一、保育園の発表会がそういう「はい、今ここ泣くとこ!」みたいな成り立ちをしていたらまあまず泣けなかったと思う。まあ子供にそんなことをさせた瞬間に絶対にそんな保育園辞めるけどうん。(しかし立ちはだかる保育園問題。選ぶ自由すらないというのは不健全ですねほんとに。)

もちろん発表会にそんな瞬間はなくて、手作りの感満載の流れの中で、もうただ、子供達が持つ素のパワーに圧倒されて、どこかの政治家よろしく「子どもは未来の希望だ・・・」と、心底思ってしまった。自分の子供の発表会だったからだというのももちろんあるのだけれど、でも全然違う歳のクラスの歌にすら泣いていた。

なんかもう、騒音が嫌だから保育園建設反対!とかいう人たちにはこの歌をまず聴いてほしいと思いながら聞いていた。子供はほんとに、いるだけで宝物だ。保育園建設反対!とか言うおじさんだって、ずっとずっと昔はそうやっているだけで宝物の存在として、大きな声で必死に歌うだけで、どこかの大人に未来の希望だ、と、思わせていたかもしれないのに。

未来の希望を全力で守ること

そして、これだけのパワーを持つ子供を、やっぱり大人は、みんなで守っていかなきゃいけないんだなと思う。月並みな言い方だけれど、子供は、社会で、みんなで、育てていくものだと思う。家族で育てることが困難なのであれば、たまたま生まれた家に育てられるだけの力を持った大人がいなかったのであれば、その子供は、大人がみんなで寄ってたかって守ってあげなきゃいけないと思う。大人の都合で奪われる小さな命が、絶対にあってはいけない。まずはこんな平和な国で、そんなことは絶対にあってはいけない。(もちろん世界中であってはいけない。)

家族の形はいろいろ。だから、子供が育つ環境だっていろいろ。でもそこには、いるだけですごいパワーを放つ子供の、その力をまっすぐに受け止めてあげる大人がいてあげなきゃいけない。その光にちゃんと気づいてあげて、目を向けてあげられる大人がいてあげなきゃいけない。それは、昔は子供だった大人の、役目だと思う。そしてそれは別に、血の繋がった親じゃなくてもいい。そんなものより大切な繋がりが、あると私は思う。

子供を、当たり前に守っていける社会であるように。大人である私は、たくさんたくさん考えていきたいなと改めて思う。子供達の歌を、子供達がおせっかいなおじさんやおばさんになる日まで、守っていけるように。

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