【50音blog 】え:駅伝ーー走るのは一人でできるからいいのだけれど

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初めて「コツコツ」続けてこられたこと

バタバタ2月。貧乏ひまなしとはこのことである。ブログを書くひまもないくらいこんなに慌ただしいだなんて、一体日々何をしているかというと、そう、走っている。

走り始めてから、1年が過ぎた。子どもの頃から「コツコツ」やることが何よりも苦手で、テスト勉強はいつも一夜漬けだった私にとって、少しずつだけれども何かを続けてこられたというのは、もしかすると初めてのことだったかもしれない。

そして基本的に(まあ多くの人の予想に違わず)大した運動神経を持っていない私にとって、この歳になってもコツコツ続けることで苦手な運動方面で(ものすごくへなちょことはいえ)少しずつ伸びていくものがあるなんて、それは大きな驚きだったし、とてもうれしい気づきでもあった。

苦手な「コツコツ」を続けてこられたのは、たぶんこれが全て常に私のごく個人的な事柄だからだ。

誰かに走れと言われて走らされているわけでもないし、チームで一つの目標の向かって戦っているわけでもない。そして何より、誰かと競争しているわけでも、ない。

とにかく根本的に、競争が苦手

最近気づいたことなのだけれど、思うに私は昔から根本的に「競争」が苦手だ。例えばよく「会社の同期はなんだかんだ言ってライバルだ」みたいな話があると思うのだけれど、これ、そうかそういうものなのかと思ってなんどもそう思おうとしてみたのだけれど(なんかそう思わなくちゃいけない気がして)何度チャレンジしてみても、やっぱり最後の最後まで同期に対してさっぱり競争心が芽生えなかった。同期は最後まで、ただの同志であり友人のようであり、ライバルではなかった。

だいたい同じ会社の人に対して「ライバル」と思うことはどう考えても自分にとって不自然だったし、なんなら大きな声では言えないけれど同業他社のことすら私は「ライバル」とあまり思えないというか競争心がどうしても湧いてこなかった・・わけで・・あります・・・。(小声)

まあとにかくそういう人間のため、誰かと競争するスポーツというのは、根本的にさっぱり向いていないのだと思う。仕事にしたって、競争心がモチベーションになることはまあ正直、一切、ない。(もうほんとどうかと思うけれども仕方ない、もうそういう人間だと開き直るしかない)

そういう私にとって、ランニングというのは、誰かと競争する必要のない、結構向いているスポーツだったのだなあと、1年続けてみて思う。

自分一人で、好きな時間に、好きな場所でできること。大した道具もいらず、どこか(ジムとかプールとか)に行く必要もなく、ただ淡々とできること。競争をする必要がないと同時に、競争に巻き込まれることもないこと。(もうほんとどうかと思うけれども競争に巻き込まれるのももんすごいめんどくさいので嫌です、もうそういう人間だと開き直るしかない)最初はそこまで考えていなかったけれど、振り返ってみればどれも自分に向いている。

だめだめな私を、先輩が駅伝に誘ってくれた

と、これだけ「一人でできること」の素晴らしさを語ってきたわけですけれども、そんな私は先日、初めて駅伝に参加してきた。前職の先輩たちと4人のチームで、一人約4キロを走ることになった。

駅伝となると、一人じゃなくて団体競技だ。しかも私以外の先輩はみんなキロ3分台から4分前半で走るのであーる(は、はやい・・・)私だけ5分台である。信じられない。お荷物感甚だしい。大丈夫かいや絶対大丈夫じゃない。

しかしまあ、なんといってもダメダメな後輩を持つ私の先輩である。私が誘われるがまま何もせず待っている間に、エントリー等の事務作業を全部やってくれて、前日の完璧なリマインダーメールも送ってくれて、現地に応援に来てくれるオットに「見てこの先輩からのメール読めば集合時間も場所もスケジュールも全部わかるよめっちゃわかりやすい!」と、言ったところ、「うん、感心している場合じゃないよ、それ本来一番下っ端のまいがやるべきだよたぶん。」と、言い放たれた。・・・た、確かに。いつもありがとうございますすみません。

そんな感じであれよあれよとことは進み(すみません)大丈夫かな私(全然大丈夫じゃない)と思いながら駅伝当日を迎えた。

だけど実際走ってみると、駅伝とはいえ走る間は当然自分一人であり、タイムも見知らぬ人と比較しても仕方がないので(あと本当に申し訳ないとは思うけれどもそれでもめちゃくちゃ速い先輩たちと比較してもやっぱり仕方ないので)やっぱり過去の自分と比べて速いか遅いかという捉え方しかできないわけで、基本はいつもと同じように、自分一人の世界で走れた。

それでも、同じチームの先輩を応援するのは楽しかったし、襷をもらう瞬間も、渡す瞬間も、やっぱりなんかじーんときて楽しかった。もう、思い出すよね、思い出さずにはどうしてもいられないよね、あれ

たまには誰かと並走することも楽しい

そして一番、なんというか、自分の成長を感じたのは、レースの前に、先輩たちとアップで2キロくらいを走った時、だったりとか、した。

よくランニングの記事とか見てると、「最初は人と話せるゆっくりのペースで」とか書いてあるけど、まじで絶対無理どれだけペース落としても人と話しながらとかしんどすぎてぜっっっったいにむり。と、ずっと思っていた。(だいたい人と一緒に走るのすら絶対無理だ私は。と、思っていた。)

でもこの日、たぶん先輩たちはもんっっっのすごい信じられないくらいペースを落として走ってくれていたと思うのだけれど(いけめん・・)それでも6分半くらいのペースで、息も上がらず笑いながら2キロ走れた。それは私にとってはちょっと奇跡に近いというかなんというか正直それが一番嬉しかったと後からオットに言ったら苦笑していたがでも本当の話なんである。

誰かと走るなんて絶対むりだと思っていた。一人でできるのが楽しい、それがランニングの良いところ、と思って1年間走ってきた。それは基本的に変わりはないのだけれど、たまにこうして誰かとレースに出たり、笑いながら並走したり、そういうのもいいもんだな、と思った。それは走ることの、新しい楽しみを見つけた瞬間でもあったし、もっと言えばたまには誰かと「並走」してみるというのは、自分にとって少し、大切なことなのかもしれないな、と思ったりもした。

ごく個人的な人間で、誰かと競争することすらできなくて、一人黙々と何かを書いて生きていたいと思っていて、半径3メートルくらいの世界しか普段たぶん見えていない。それでも、程よい距離感で誰かと並走していると、新しく見えてくる世界があるのだな、と、しみじみと思ったお話。

それでまた今日も、私は一人で黙々と走っております。

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