店舗を持たないウェブ上でのヴィンテージショップ「Swell Vintage」(以下SV)を営むMegさん。そのインスタからは、Megさんご本人のぶれないセンスも伝わってきます。このMegさんのセンスの秘密は何なのか。それが知りたくて、今回取材をお願いしました。
実際に会ってみたMegさんは、とても気さくで話しやすくて、そしてやっぱり一つのしっかりとした芯があって。そのセンスはもちろん、お人柄含めてますます好きになってしまいました。すごく良いお話がたくさん聞けたので、ぜひ読んでみてください。じっくり全6話でお届けします。
前回は、SVの転機とこれからのお話を伺いました。今回は、そんなSVの全てとも言える、Megさんのセンスの秘密に迫ります!
目次(全6回)
自分は洋服の「デザイナー」でなくて「バイヤー」
まい: ポップアップはいつ頃から始めたんですか?
Megさん: plageさんと一緒にやらせていただいたのが、1年前くらいで、それが一番最初です。まだポップアップとかやってるとこもあまりなくて、早かったと思う。
私もずっと洋服は好きだけど、ファッション業界にいたことは一度もないから、すごい面白かった。ファッション業界の話を聞くと、すごいなあ、面白い世界だなあって。
でも私ね、洋服デザインのセンスはないんですよね(笑)
まい: へーそうなんだ!それはすごく意外!
Megさん: 例えば、おっきいワンピースを作るのにね、こんなちっちゃい生地見本しか出てこないから、全くピンとこなくて!もっと大きい見本で見せてくれなきゃわからないよーって(笑)
まい: なるほど(笑)
Megさん: 私は、出来上がってみてやっとわかるんです。やっぱり、こっちの生地よりこっちの方が、出来上がってみると結局よかった、って。だから服に関しては、一から作り上げるよりも選ぶ方が合ってるんだってわかった。そして選んでる時の方が、比にならないくらい楽しい!
それでね、私デザイナーじゃないんだ、やっぱり私、バイヤーだ、って、その時思ったんです。バイヤーは天職だって、そこではっきり思えた。
まい: なるほど、すごい面白いです。でも、やってみることも大事だし、そこで自分の向き不向きを知るっていうのはすごく大事ですよね。一人ならなおさらね、あれもこれもというわけにはいかないし。
Megさん: うんうん、そうだよね。
色んな流行を全部見て、楽しんできたから今がある
まい: Megさんの好きな世界観とか、お洋服のテイストっていうのは、ずっと変わらないんですか?
Megさん: 変わらないかもしれない。70年代生まれだから、アメカジも、ギャルっぽいのも、モードも、全部一通り流行を経験してきて、全部好きだったんです。でもやっぱり、惹かれがちなのは、民族調のもの、70年代のものがすごい多い。
まい: 今のMegさんの、そのぶれないかっこよさとか、なんだろう、人と違ってもすごくおしゃれな感じとかって、色んなかっこをしてきたからなのか、こだわってるところがあるからなのか。どうしてなんだろう。
Megさん: やっぱり世代として、いろんな流行を見てきて、生で体感してたから、全部が身近なんです。
例えば、「モードが流行っていた時代をリアルには知らないけど、好きだから着ている」というのとはやっぱり違って、モードが目の前で流行ってるのを見て、それを着てた。目の前の流行を、ずっと全部追ってきた世代だから。それがベースにあるのかな。
まい: なるほど、色んなテイストの服を見て、それを自分でも楽しんで、なおかつやっぱりこれが好きっていうものがあったから、それが今のMegさんに繋がってるのかな。
若い人たちにも、ファッションのワクワク感を楽しんでほしい!
Megさん: でも、あの頃が今と違うのは、ファストファッションがなかったんですよね。
まい: そう、そうですよね。
Megさん: いい服は、やっぱり高かった。でも今はファストファッションがいっぱいあるから、なんかあの時の感じがすごい恋しいの。
まい: わかる!頑張ってお金を貯めて、なんとか一着を買う感じが。
Megさん: そうなのそうなの。あの洋服が欲しいから、ちょっと今日のご飯はこれで我慢しよう、とかそういうの!
まい: やってたやってた!(笑)
Megさん:
そこがベースにある世代って、なんかずっとファッションが好きな気がするんですよね。やっぱりなんか違うのかな、そこでね。今の若い子達ってやっぱり、安いもので満足しちゃうから。そして市場も同じものが溢れてて安っぽい!このままじゃ日本のファッションはどんどんダメになると思うんだよね。
まい: そうですよね、ファッションにお金をかけないのかなぁ。
Megさん: 食事もそうで、イタリアンもフレンチも安いでしょう。昔はそれなりに高いお店があって、なかなか行けなくて。でも今は、クーポンを使ったりしてすごく安く行けちゃう。そういう風に、「憧れ」で頑張らなくても、全部手に入るから、欲がないというか。そういう風潮を、なんかずっと、どうにかならないのかなーと思ってて。時代なのかもしれないけど。
まい: でもそれって、それこそ、ヴィンテージとか一点ものとか、そこから変えていけるものってもしかしたらね、なんかあるのかなっていう感じがする。
Megさん: うんうん。
まい: 私も多分、ギリギリ古着世代というか、高校の時に京都の古着やさんを巡るみたいな感じで。
Megさん: いいよね、京都の古着屋さんね!
まい: それこそお金がなくてもね、ファッションを楽しめるというか、そういうところもあって。そういう感じどうなんだろうな、あるといいんだけどな、今も。
Megさん: でも今の若い子たちには、古着ブームっていうだけじゃなくて、そういうのひっくるめて、なんかファッションのワクワク感を楽しんでほしいな、もうちょっと感じてほしいな、って思ってる。
まい: うんうん、ね。やっぱりそういうのがモチベーションになってたから。それくらいにはなって欲しいな。味気なくなっちゃいますよね、なんか。絶対に必要なものじゃないんだけど、ファッションって。でも、頑張ってお金をかけたい、っていうのがないと。
Megさん:そうそう、そうなんですよね。
まい: Megさんみたいに、もともとそういうファッショの仕事をしてたんじゃなくて、ただただ服が好きだったっていう人だとなおさら思うのかもしれない。それできっと、Megさんのようなお仕事や、古着とかVintageとか、そういうものが、若い人にファッションの「ワクワク感」を知ってもらう、何かいいきっかけになる気がします。
いろんな流行を目の前で見てきたことが、今につながっている、というMegさん。だからこそ、若い人たちに、ファッションの楽しさを知ってほしい、という思いもすごく伝わってきました。次回は、Megさんが買い付けの時に気をつけていること、そして気になるインスタのこだわりについてのお話です。
Profile
Meg: 独自のセンスで、2013年に「Swell Vintage」をスタート。ショップで販売するものは全て、自らハワイやLAから買い付ける。インスタグラムの世界観も人気で、フォロワー数は2017年12月現在で1.9万人。
*感想、お問い合わせ、また、インスタグラムで気になるこの人のお話が聞いてみたい!というご要望、お仕事のご依頼はこちらから。
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